商品部門特集⑤大手商社「化学品部門」の現状と今後の重点施策(前)

前年度における化学品市況高騰の反動や中国市場の不振などで7社中5社が減益

    【住友商事】
    旧資源・化学品事業部門から資源、エネルギー分野を切り離し、新たに「化学品・エレクトロニクス・農業グループ」を組成
    - InteracidグループがSaconixを買収し、硫酸トレードの取扱量を飛躍的に増加させた住商の基礎化学品SBU
    - 前年度需要増の反動などでEMS事業などがやや苦戦したが、足元では回復基調にある住商のエレクトロニクスSBU
    - サトウキビと木材を活用したバイオ燃料およびバイオケミカルの製造実証を開始した住商のグリーンケミカルSBU
    - 米国ジェネリック製薬事業Upsher-Smith Laboratoriesの株式を売却した住商のライフサイエンスSBU
    - ルーマニア農業資材直販会社の買収やチリのバイオ農薬製造・販売会社への出資を実行した住商のアグリ事業SBU
    【双日】
    化学品全般の需要低迷に苦しんだが、需要回復を期待し、今期は増益を計画
    【三菱商事】
    前年度の繰延税金負債の取崩益の反動や化学品製造事業における減損損失などが影響し、減益となった旧化学ソリューショングループ
    - サステナブルペットボトルのサプライチェーン構築やJX金属との資源循環分野における新会社設立が注目される商事
    【丸紅】
    石化および無機化学品の市況悪化により減益となったものの香辛料メーカーEuromaの完全子会社化など事業基盤づくりが進んだ化学品本部
    - GHG排出量を削減する船舶塗料の販売や九州でのプラスチックリサイクルスキームの確立など環境負荷低減に資する丸紅

    Spot
    ○大手商社の24/3期連結業績の経営指標

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    ☆三菱商事ライフサイエンスが注力商材NMNに関する共同研究を東京都健康長寿医療センター研究所と実施
    ☆丸紅グループが生成AIサービス「I-DIGIO next-AI series Chatbot」を開始

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