商品部門特集⑨ 大手商社「エネルギー部門」の現状と今後の重点施策(前)

原油・ガス価格の高値推移により各社とも大きく利益を伸ばす

    【住友商事】
    石炭市況高騰の恩恵を受けたほか、トレードも好調だったが、前期に計上した一過性利益の反動などで減益
    - 鉄鉱石価格は下落したが、豪州石炭事業会社が大きく伸長し、マンガン価格上昇も寄与した住商の資源第二本部
    - ブラジルFPSO事業が生産開始したほか、英国における水素・CCUS事業など次世代ビジネスを手掛ける住商のエネルギー本部
    【伊藤忠商事】
    市況価格上昇に伴うエネルギートレーディング取引の採算改善により、大幅増益を達成
    - Neste社やRaven社製SAFの国内航空会社へのSAF供給など、多数のリニューアブル燃料案件を進めた伊藤忠
    - バイオガス製造装置メーカーへの出資や国内大規模CCSバリューチェーン構築などに取り組んだ伊藤忠
    【丸紅】
    受取配当金の減少や金利収支の悪化などがみられたものの、石油・LNGトレーディングの好調を背景に増益を達成
    - 営業本部から人材と案件を集約し、本部の枠組みを超えた協業により新エネルギーに取り組む丸紅の新エネルギー開発推進部

    Spot
    ○7社中6社が減益となったものの、前年同期に次ぐ高水準な業績を記録した大手商社の23年度○第1四半期決算

    Voice
    ☆住友商事が製作に参加した松竹映画『こんにちは、母さん』が9月1日より全国公開
    ☆三菱商事の有利子負債倍率が0.4倍を割るなど、改善が続く大手商社の23年度第1四半期の財務状況

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