大手商社のリスクマネジメント体制(後)

失敗事例の共有や意思決定の迅速化を通じて、不確実事象へ対応する各社

    ◇主計部が担っていたリスク管理機能を事業投資総括部および財務部へ移管した三菱商事
    ◇ロシア・ウクライナ情勢に鑑み、関連地域の社内格付けを引き下げた商事
    ◇「ガイドラインレート」による定量基準に加え、定性面からも新規投資案件を評価する商事
    ◇フィナンシャルマネジメント各部の信用リスク管理機能をリスクマネジメント部に集約した三井物産
    ◇リスクマネジメント部が中心となって各種リスクのモニタリングに努める三井物
    ◇投資決定から戦略的リサイクルに至る各ステージにおいて、培ってきた事業評価能力を機能させる三井物
    ◇品質管理委員会の設置やサプライチェーンの視点を通じ、モノ・サービスの品質管理を強化する双日
    ◇イベントリスクに対するシナリオ分析を実施し、予兆管理の強化を図る双日
    ◇企業価値向上への貢献という基準に即し、ハードルレートとEXITルールを変更した双日
    ◇投資審査部内に「統合リスクマネジメント室」を新設し、リスク管理体制の構築・改善を推進する豊田通商

    「資料」
    図1 三菱商事・案件審査の仕組み
    図2 三菱商事・全社管理の枠組み
    図3 三井物産のリスクマネジメント体制
    図4 三井物産・会議体ごとの対象案件と金額基準
    図5 双日・リスク管理PDCA活動のイメージ図
    図6 双日・投資プロセス
    図7 豊田通商「チェック10」
    図8 豊田通商・投資サイクルの運用
    表 大手商社のリスクマネジメント担当部署と主要リスク管理手法

    Spot
    ○ 3社で海外役員が減少し、漸減傾向が続く大手商社の海外役員配置状況

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    ☆ 幅広い業界・顧客の課題解決を実現すべく、経営統合を図った伊藤忠マシンテクノス
    ☆ 新たに「GRITz」を設立し、e-Sports業界へ参入する双日

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